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雑色駅前おとなこども・たけお歯科

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診療科目

一般歯科


治療方針

歯を失う原因のほとんどは虫歯、歯周病、歯の破折です。

歯を失わない為に虫歯のリスク、歯周病のリスク、噛み合わせ(破折の原因)のリスクを知り、リスクを減らしていくことが歯の寿命を長くします。もっとも重要なことはリスクを減らした悪くなりにくい環境を作りそれを維持していくことです。

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抜歯の主原因(全体)と抜歯の主原因別にみた抜歯数(年齢階級別、実数)

虫歯の治療

歯の寿命は基本的に削ることによって短くなり、抜くことによって他の歯の負担が増え他の歯の寿命が短くなります。虫歯は早く見つけて削って詰めるものだと考えていませんか? 虫歯を削って詰めても虫歯の原因をなくさなければ再発し、悪化していきます。その繰り返しで多くの人が歯を失っています。適正ではない治療を行えば行う程再発して歯の寿命は短くなります。1本でも歯を失うとその歯を補うために他の歯を削る治療が行われることが多く、そのためにその削った歯の寿命も短くなります。当院ではできるだけ削らない、抜かないを方針にしています。虫歯の原因を知り、正しい予防をしていくことが最良の虫歯治療なのです。

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皆さんは「まったく歯を磨いていないのに虫歯はできたことがないよ。」という人がいるのに疑問を持ちませんか?これは一人一人虫歯の原因が違うからです。虫歯は多因子性疾患で口腔内環境、食生活、ライフサイクルなどが複雑に絡み合ってできてしまいます。

原因には

① 菌
② 歯の汚れの量
③ 唾液の量
④ 唾液の質
⑤ 食事の頻度
⑥ 不良補綴物
⑦ フッ素の使用状況

が挙げられます。

虫歯菌の数ですが、人によって多い人もいれば少ない人もいます。虫歯菌の代表にはミュータンス菌、ラクトバチラス菌が挙げられます。ミュータンス菌は生後10ヶ月〜31ヶ月ぐらいの間に保護者から感染します。ミュータンス菌はショ糖(砂糖)を分解して不溶性グルカンというネバネバした物質を歯の表面に作ります。不溶性グルカンが産生されると他の細菌が歯の表面に定着、増殖し(バイオフィルム)、24時間で発酵性炭水化物を餌にして菌が酸を産生します。ラクトバチラス菌は穴が空いているところや狭い隙間に定着しスコップのような役割で虫歯を進行させます。これらの菌が多い人はより酸を産生しやすくなるので虫歯になりやすくなります。バイオフィルムは細菌同士が寄り集まってスクラムを組んだ状態になっていることを指します。そしてバイオフィルムはバリアの効果があり、抗菌薬を使用してもバイオフィルムの中の細菌を十分に殺菌できません。そこで歯ブラシ、もしくは歯のクリーニングにより物理的にバイオフィルムを破壊することが必要になります。


歯の汚れの量

虫歯菌が活動するためには餌が必要です。食事後8時間ほどで産生される歯の表面上のプラーク(歯垢)には種類があります。一つは虫歯になりやすいプラークです。これは蔗糖を多く摂取することで不溶性グルカンをより多く産生するため、他の糖に比べてバイオフィルムを強固にして除去しにくくし、より酸を産生しやすくします。バイオフィルムがしっかりと形成されると蔗糖以外の糖でも餌にして細菌は酸を産生します。もう一つは蔗糖をほぼ摂取していないで産生されたプラークです。これは不溶性グルカンが多く産生されていないため足場が弱く除去しやすく、また酸を多く産生しません。よって他の糖でも酸は産生されるのに蔗糖が虫歯の原因とされるのはこのためです。当院では、プラークがどこに残っているかを赤く染め出し、記録に残して資料をお渡しします。前回の記録とも照らし合わせ、患者さんに合わせた歯ブラシの種類のご提案、使用方法を指導して、虫歯になりにくくなるように歯質の強化も行います。


唾液の質

唾液の質とは酸を中和する緩衝能のことです。唾液は酸を中和し、酸により脱灰した歯の表面を再石灰化させるので非常に重要です。


唾液の量

唾液量が多ければ虫歯菌は洗い流されやすく、酸もより早く中和されます。


食事の頻度

歯の表面は脱灰と再石灰化を繰り返しています。より脱灰が進行すれば歯に穴が空きます。逆に再石灰化が十分に行われれば歯に穴は空きません。


不良補綴物

一度歯の治療を行った場所は必ず歯と詰め物もしくは補綴物の間に隙間が空きます。その隙間が大きいとよりプラークがたまりやすく、また細菌の住処になり虫歯になりやすくなります。一度も削らないのがベストですが削った場所にはできるだけ隙間がないように治療する必要があります。


フッ素の使用状況

フッ素の使用により虫歯になりにくくなります。フッ素は歯の強化、再石灰化の向上、細菌、酵素作用の抑制といった効果があります。歯の表面に直接作用しハイドロキシアパタイトからフルオロアパタイトを生成しエナメル質の耐溶解性を高めます。また再石灰化を向上させることで修復力が上がります。また細菌、酵素作用の抑制により酸自体が産生されにくくなります。

当院では、プラークがどこに残っているかを赤く染め出し、記録に残して資料をお渡しします。前回の記録とも照らし合わせ、患者さんに合わせた歯ブラシの種類のご提案、使用方法を指導して、虫歯になりにくくなるように歯質の強化も行います。


虫歯の進行

虫歯の進行は以下の通りです。下の図のコード3までは削りません。それまでは審美的に気にならないのであればそのまま虫歯の進行を止めた方が結果的に歯の寿命は長くなります。コード4からは拡大鏡を使いながら虫歯を丁寧に取っていきます。進行の区別がつきにくい場合は専用の器具を用いて治療が必要か調べます。

コード0:健全

エナメル質形成不全等の発育障害、歯のフッ素症、歯の摩耗など外因性・内因性の変色は健全です。変着色した裂溝が複数存在する歯面は、他の小窩裂溝にも着色が認められ、着色を生じやすい習慣(お茶)がある場合は健全と判定します。


コード1、2:危険度★〜危険度★★

コード1
エナメル質における目で見える初期変化。持続的なエアー乾燥後に限って観察されるか、あるいは小窩裂溝内(しょうかれっこうない)に限局されます。

コード2
エナメル質の著明な変化がみられます。 エナメル質は歯の表面で神経がないため、どちらも痛みなどの自覚症状がありません。


コード3:危険度★★★

限局性のエナメル質の崩壊。 (この時点まで削りません) 冷たいものがしみたり、痛みが出ます。


コード4:危険度★★★★(切削充填の対象)

虫歯が象牙質まで広がった状態です。 痛みが強くなります。


コード5:危険度★★★★★(切削充填の対象)

著明なう窩。象牙質が目で見えます。 何もしなくても常に痛みます。神経の治療が必要になる場合もあります。


コード6:危険度MAX(切削充填の対象)

拡大した著明なう触。象牙質が目で見えます。歯を残すためには、この状態になる前に治療しましょう。


虫歯が深い場合

虫歯が深く神経の近くまで進んだ場合、虫歯を全て取り除くと神経に到達してしまうことがあります。 その場合は痛みが出ることが多いのでほとんどのケースで神経を抜きます。 しかし、神経を抜くと歯の寿命は短くなるので、可能な限り神経は抜きたくありません。 そこで虫歯が深い場合は痛みがなければ虫歯を一層残してその上にセメントでフタをして様子を見ます。 これを歯髄温存療法といいます。

セメントの作用で感染した象牙質の無菌化、再石灰化、さらに虫歯に接した神経の中に固い組織である第三象牙質が形成されるので、約3ヶ月後にはより安全に神経を抜かないで虫歯を取り除き、残っている感染象牙質の無菌化ができると考えています。これを数回繰り返して歯髄の温存を行いますが4回行っても改善されない場合、途中で痛みを伴う場合は神経を抜く治療に移行します。


詰め物、被せもの

歯が欠けている、穴が空いているなど歯を部分的に失っている場合はそれを補う治療が必要になります。長く維持ができるように失っている大きさに応じて詰め物、被せ物を選択します。

歯と詰め物との間には必ず隙間が生じます。保険のもので約150μm、保険外のもので20μmと言われています。 隙間は小さければ虫歯菌も入りにくく虫歯になりにくいです。 しかし虫歯菌は約1μmの大きさしかありませんので、保険外の詰め物を行っても削っていない隙間のない歯に比べて虫歯になりやすいことが知られています。

また詰める材料にとって口腔内は酸が発生し、湿度も高く、かみ合わせる力も加わるため非常に過酷です。理想的には歯を全く削らずに維持することですが、虫歯により穴が空いてしまった場合にはできる限り精密に穴を詰めて、隙間を小さくした方が虫歯になる時期を遅らせることができます。 詰め物にも種類があり、強度の高いもの、劣化しにくいもの、審美的に良いもの、さまざまなものがあります。詰め物の利点欠点をご理解いただき選んでいただきます。


根管治療

根管治療は虫歯を治療した後、虫歯が神経まで進行していた・神経を取ったなどの場合などに行う根管の中をきれいにする処置です。具体的には細菌に感染した歯質や神経を除去し、根管内を洗浄・殺菌して薬剤を入れ、最終的に歯を補強して被せ物をします。症状として、何もしなくても激痛がある場合や暑いものを召し上がったときに数秒間強い痛みが続く場合は神経が正常な状態に戻らないので神経を抜く処置を行います。その際は可能な限り無菌的に治療することで後に感染するリスクを減らすことができます。既に感染して膿が根の先に溜まった場合は膿を出して根の管を無菌的な状態にしてからお薬を詰めます。根管治療は歯科治療の中でも「歯を残すため」の重要な処置の一つです。ただ可能な限り神経は抜かない方が望ましいです。それは神経を抜いていない歯に比べ神経を抜いた歯は約10倍歯が割れやすいと言われています。歯の根が割れてしまうと基本的には歯を残すことが難しいので抜歯になります。

神経の治療の途中で治療を中断してしまうと根管が感染して悪化していきます。痛みがなくなったからと放置しておくと後ほど歯を抜かなければいけなくなるケースもございますので治療は最後まで行うことをお勧めします。


歯の補強

神経を抜くと栄養が届かなくなり枯れ木のような状態になります。そこで根の治療を行った後は神経の管に補強のピンを入れます。その補強のピンが大きすぎたり固すぎたりすると噛み合わせで無理な力が加わることで歯の根が割れやすいです。 最近はグラスファイバーという歯と同等にしなる性質を備えた材料もあり、歯の根を割れにくくすることも可能です。


歯を失ってしまった場合

歯を失ってしまった場合は4つの選択肢があります。

①そのまま放置
②ブリッジ
③入れ歯
④インプラント

①そのまま放置すると隣の歯が歯のない方に倒れ、噛み合わせる反対側の歯が伸びてきます。歯を失っている側の噛み合わせが低くなりバランスが悪くなり残っている歯の寿命が短くなるだけでなく肩こりなど色々な影響が出てくるのでおすすめできません。

②ブリッジは固定されているため短期間であれば不具合が少なく良い方法ですが、虫歯ではない歯を削る必要がある、歯のない部分の噛み合わせも補償するため噛み合わせの負担が大きくなり将来的に歯が折れるリスクが高くなる、ブリッジのつながっている部分が磨きにくいなど欠点があります。

③入れ歯はブリッジのように歯をあまり削らないで治療が行えますが、取り外しをする必要がある、噛む力が天然歯に比べて15%程度と弱い、バネが欠けている歯が将来的に揺さぶられるという欠点があります。

④インプラントは残っている歯に負担をかけずしっかりと噛める理想的な方法ですが、外科的な処置が必要、保険が使用できないなど欠点もあります。どこの場所を失っているか、何本失っているか、骨や全身の状態などによっておすすめできる治療法が変わりますのでよく歯科医師とご相談されると良いでしょう。

たけお歯科では、患者さまがずっとご自分の歯を使い続けられるよう、精一杯のサポートをさせて頂きます。